英国の地質と地質学の歴史について |
グレンコーで氷河地形を見たので、ここで英国の地質学についてチョット説明しよう。 以下は、特に断りのないものは、「Scotland, The Creation of its Natural Landscape, British Geology Survey」 に掲載されたものを改変した。 |
昔、学校で習った「地質年代(地質時代ともいう)」を思い出そう! 上記は子供の絵本から引用 |
スコットランドは帯状の古い地層から出来ている。 これには下記のような深い訳がある。 |
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ウェゲナーの大陸移動説は、現在ではプレートテクトニクス理論により確証されている。 多くの本に書かれている大陸移動図は、2億年前以降のものが多いが、ここではもっと古い大陸地図が必要である。 子供の絵本から引用 |
Cocksによる5.5億年前の古地理 5億年前はスコットランドと北アイルランドは、ローレンティア大陸の一部であり、 南アイルランドとイングランド・ウエルズは、アバロニア大陸の一部であった。 http://ea.c.u-tokyo.ac.jp/earth/sato.htm から引用 |
4.5億年前から4.1億年前の間に、北大陸(ローレンティア大陸)にあったスコットランドと北アイルランドと、 南大陸(アバロニア大陸)にあった南アイルランドとイングランド・ウエルズが移動して、現在の英国ができた。 |
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時代が下って、1.5万年前〜1.4万年前の最終氷期における氷河。 現在では、氷河はグリーンランドとアルプスにのみ残っている。 |
人工衛星から見ると、スコットランドと イングランドの地形は異なっている ことが分かる |
地質年代の名称の由来 |
地質年代には奇妙な名称が使われている。そのうち、英国やヨーロッパ大陸、に由来するものをいくつか紹介しよう。
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産業革命と地質学 |
地質年代の名称には、英国に由来するものが多いことに気が付く。 これは英国が地質学の発祥の国だからである。 では、なぜ英国で地質学が生まれたのだろうか。それは英国が産業革命発祥の地だからである。 産業革命が起こると、今までの人力や馬力に代って蒸気機関が使われるようになり、石炭が必要になった。 石炭が存在する地層を探すことから、地質学が生まれた。 蒸気機関や鉄道に使われる鉄の生産に必要な鉄鉱石を探すためにも地質学が必要であった。 英国は比較的小さな島国であるにもかかわらず、先カンブリア時代から氷河時代にいたるあらゆる時代の地層を有していることも、地質学の進歩に役立ったといえる。 |
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