アイスランド(2)---- 地球の脈動を感じる旅(アイスランド中北部) |
今回のアイスランドの旅の目的は、米ソ首脳会談が行われた首都レイキャビークでもなく、2008年に見舞われた金融危機の国でもない。 地球上の大陸も海も、プレートと呼ばれる十数個の岩板の上に乗ってゆっくりと動いている。 このプレートは、太平洋や大西洋の真ん中にある「海嶺」と呼ばれる長大な山脈で生まれる。 唯一アイスランドでは、このプレートが生まれる場所が、海底に潜らなくても地上で見られるという。 今回の旅は「プレートが生まれる場所」を見るという極めて「地学オタク」な目的の旅である。 このことはアイスランドの旅(1)の冒頭でも述べた。 それでも、後半のアイスランドの旅(2)は、温泉に入り、滝を眺め、思いがけずマリモに出会い、地熱発電所に目を見張り、フィヨルドに停泊する豪華客船に羨望し、首都レイキャビークが果たした歴史の1コマに感動するなど、気楽な旅である。 所により、地学的解説があるかもしれないが、ご容赦願いたい。 アイスランドの旅(1)は、アイスランド南部の旅 アイスランドの旅(2)は、アイスランド中北部の旅 である。 合せてご覧下さい。 (2009年7月)
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神々の滝 | |||||||||||||||||||
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アイスランド旅行の全ルート |
赤字は宿泊地(丸数字は宿泊順)、 青字は主な訪問地 |
5日目 (7月9日) |
エルドギャウ→ランズマンナラウガル→ 秘密の火口湖→レイルバッキのホテル(泊) |
ホテル周辺の溶岩台地散策 |
出発前にホテルの周りを散歩した。 アイスランドでは夏は北北東から太陽が昇るので、 右にスクロールしてご覧下さい→ 自分の影からこの写真は国道1号線のほぼ南半分180度を撮影したパノラマ写真であることが分る。 |
アイスランドでは、このような形の段丘を見かけることが多い。 アイスランドの旅(1)で述べたように、アイスランドの地形は氷河の歴史と関係している。すなわち、今から2万年前の最終氷期には、アイスランドは全島厚い氷河に覆われていた。 重い氷河のためにアイスランド島を載せたプレートはマントルの中に少し沈んでいた。 ところが後氷期になって氷河がとけると氷の重しがなくなって島が数十mも隆起した。(氷河性アイソスタシー) このためアイスランドでは海岸沿いに比高数十mの段丘が多くみられる。 |
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溶岩台地の植生は限られている。 左からルピナス(ニュージーランドから移植された)、タイム(ジャコウソウ)、ミミナグサ |
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コケに覆われた溶岩台地の小さな展望台に登る。 上の画像をクリックすると、溶岩台地を走る車窓を動画でご覧になれます |
エルドギャウ探勝 |
3泊したキルキュバイヤルクロイストルのホテルを発って、溶岩台地を走り、エルドギャウ(炎の渓谷)と呼ばれる渓谷に着く |
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トイレ小屋の屋根に太陽電池板が設置されている。 裏に回ってみると、この電力で近くの池から水をポンプ・アップして、手洗いに供給しているようだ。 |
エルドギャウの核心部に入る。 火山が作った裂け目は、長さ30km、谷の深さは200m |
30kmはとても歩ききれない。2段の滝が現れたところで、引き返すことにする。 |
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渓谷で見つけた溶岩と岩。 岩は流紋岩のようである。 火山岩は、シリカSiO2の多い順に流紋岩(白っぽい)、安山岩、玄武岩(黒っぽい)となる。 |
歩き始めた場所に戻り、昼食の弁当 |
ランドマンアロイガルへ |
砂原の中の未舗装道路を走る |
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氷河に磨かれたのかつるつるの山肌の間に渓流が蛇行する | サイクリングのカップルに出会う |
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いくつもの川を渡渉し、 温泉のあるキャンプ地ランドマンアロイガルに着く |
天幕の向こうに流紋岩の山が見える |
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敷石の中に黒曜石の塊を見つけた。 黒曜石は石器時代に 矢じりや包丁に使われた石で、一種の天然ガラスである。 |
ビジターセンターで入湯券400クローネ(約320円)を買う。 アイスランドではどこでもクレジットカードを使うが、無線 インターネットによる認証に時間がかかり、待たされる。 |
英国の高校生のグループと出くわし、混雑の中で温泉に入る。 ここは温泉と冷泉の2つの川の合流点で 入る場所により30℃くらいから45℃くらいまで差がある。 適温の場所を探しながら入浴する。 |
レイルバッキのホテルへ |
レイルバッキのホテルへの途中で、ドライバーが「秘密の場所」といって案内してくれた火口湖のパノラマ写真 |
火口湖で集合写真 |
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以前にも見えたヘクラ火山(何度も噴火を繰返す複成火山) | ダムと水力発電所 |
アイスランドの電力事情 アイスランドの電力は、水力(80%)と地熱(20%)で賄われている。 火力も原子力もない。 それでも電力が余るので、鉱石を輸入してアルミを精錬し輸出している。 アルミは精錬に多量の電力を使うので「電気の缶詰」といわれる。 |
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レイルバッキのホテルに着いた。 ここは渓流の釣り宿で、 質素なものだが、我々山屋にとっては御殿である。 |
ホテルの夕食 |
6日目 (7月10日) |
スプレンギ砂原→アルディヤル滝→ロイガルのホテル(泊) |
スプレンギ砂原 |
スプレンギ砂原(サンドゥル)はアイスランドのほぼ中央部に位置し、境界線がほとんどはっきりしない、広範囲の砂漠地帯。 面積はおよそ30km×70km。 海抜はほとんどの地点で700−800m。 ここで、1969年に初めて月に到着したアポロ11号のメンバーがその2年前に月面歩行の訓練をしたという。 |
どうしてか、ここだけは板状の岩が集まっている |
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マンテマ | ハマカンザシ |
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広い砂原の中を行くアイスランド馬の一行、向うはホフス氷河か |
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砂原のオアシス「ニーダルル」で休憩、民家(貸しロッジのようなところ)で昼食 |
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オアシスのため蚊が多いので、予め用意した防虫ネットをかぶる |
アイスランド語でエーラルローズ(砂漠の薔薇)、 英語でRiver Beautyといわれる花は、アカバナのようである |
いままで南へ流れていた川が、この辺りから北へ流れている。 分水嶺を通り過ぎたようだ。 |
アルディヤル滝 (アルドエイヤル滝ともいう) |
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柱状節理が見事なアルディヤル滝 右にスクロールしてご覧下さい → → 上の画像をクリックすると、滝の動画をご覧になれます |
柱状節理はどのようにして出来るのか |
いろいろな説があるが、以下は私の仮説である |
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1 | 田んぼや沼の泥が乾燥すると、六角形(四角形〜八角形)の割れ目ができる 図1の写真はアイスランドのナゥマフィヤットルの高温地帯の「坊主地獄」である。 |
図1 | |
2 | 泥の表面が縮むと、泥の中に割れ目ができる 図2aにおいて、泥が熱いときにA点とB点の距離を仮に10cmとする。 |
図2a | |
これが乾燥して10%縮むとすると、図2bのように9cmにならなければならない。 しかし広い面積が一斉に縮むわけにはいかないから、AB間の距離は10cmのままで、泥の中にストレスをためて頑張っている。 | 図2b | ||
ついにストレスに耐えられなくなる(ストレスが泥の引張り強度を超える)と、図2cのように、A点とB点の中間あたりで、ABに垂直な方向に幅1cmの割れ目ができて、AB間は10cmを保つ。 | 図2c | ||
3 | ついに泥の中に六角形の割れ目ができる 図3を見てほしい。A点とB点だけでなくC、D、E、F、Gの各点も同じように働くので、A点の周りに六角形(一般には四角形〜八角形)の割れ目ができることになる。 泥は、東西南北に同じ性質を持つ等方性の物質であるから、平面を隙間なく埋める正多角形(三角形、四角形、六角形)の中で最も円形に近い「六角形」になりやすいであろう。 六角形の大きさは、泥の引張り破壊強度、泥が乾燥するときの収縮率、泥が乾燥する速さなどによって決まる。 |
図3 | |
4 | 溶岩が片面から冷える場合を考える 図4aのように、溶岩の片面は温かい岩盤に接していて、別の片面が空気に触れていてその面から冷える場合を考えてみる。 空気に接している面が冷えると溶岩は収縮するので、泥が乾燥するときと同様に空気に接している側に割れ目が生じる。 |
図4a | |
図4bに示すように、冷えるに従って、割れ目は深くなる。 | 図4b | ||
その結果、図4cのように柱状節理ができる。 図4cの写真は、アイスランドのキルキュバイヤルクロイストルの教会跡の柱状節理である。 六角形の太さは、溶岩の引張り破壊強度、溶岩が冷えるときの収縮率、溶岩が冷える速さ等によって決まる。 |
図4c | ||
5 | 溶岩が両面から冷える場合を考える 図5aのように、冷たい岩盤の上に溶けた溶岩が流れる場合は、冷たい岩盤に接する面と空気に接する面の両方から冷える。 |
図5a | |
その結果、図5bのように両面から割れ目が生じる。 溶岩が冷えるに従って両方からの割れ目がぶつかって柱状節理の形成が終わる。 |
図5b | ||
この場合には図5cのような形になる場合があることが知られている。 http://volcano.instr.yamaguchi-u.ac.jp/tatami.html |
図5c | ||
6 | 湾曲した柱状節理はどうして出来るのか 図6aの写真は、アイスランドのアルディヤル滝にある柱状節理の一部であるが、左の方が湾曲している。どうしてこのような湾曲が生じるのだろうか。 |
図6a | |
図6bのように、冷えた湾曲した岩盤の上に溶岩が流れ、その上に別の温かい溶岩か火砕流が流れた場合を想像しよう。 溶岩の上面は冷えにくいので、よく冷える岩盤に接した下面から柱状節理ができ始める。 その結果、図6aのような湾曲した柱状節理ができたのではないかと思う。 | 図6b |
ロイガルのホテルへ |
アイスランドの北海岸に近づくと緑が見えてきた。 川沿いのカバノキだ。 |
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アイスランドで初めてみた野菜の露地栽培 | 針葉樹は植林したものだという |
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ロイガルのホテルに着く |
ホテルの周りには赤い屋根に白い壁の瀟洒な建物もある。ここでは、温泉プールを楽しんだ。スペインのバルセロナから来た老夫婦に会った。 |
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アイスランドを南から北へ縦断した満足感に浸り、ホテルで夕食の乾杯 | 夕食には、溶岩で焼いた黒いパンが出た |
7日目 (7月11日) |
ミーバトン湖→スクートゥスタダギーガル(偽クレータ)→ディムボルギル(黒い砦)→ グリョゥタギャウ(地下温泉)→クラプラ地熱発電所→ナゥマフィヤットル→クバ山登山→ロイガル(泊) |
ミーバトン湖とスクートゥスタダギーガル |
アイスランドで見る白夜 アイスランドは西経約15度に位置するから、アイスランドの地方時はGMT(グリニッチ標準時)よりも1時間遅れるはずであるが、英国と同じGMTを採用している。 アイスランドでは夏時間はない。 これらのことから、午前1時頃が深夜となる。 この日は白夜を見ようと、夜中の1時に目覚ましをかけて起きてみた。 ロイガルは北極圏よりも僅か南にあることと、時期が夏至(今年は6月21日)を42日も過ぎているので、完全な白夜は見れなかったが、深夜の北の空は結構明るく夕焼けのような写真が撮れた。 |
ミーバトン湖は、溶岩で川が堰き止められてできたため、温泉が流れ込むので水温が高く、冬でも凍らない。 このため蚊が多い。 ミーバトン湖は「蚊の湖」という意味だという。 ここの蚊は刺さない。 蚊柱が立つようなことを想像していたが、ちっとも苦になららかった。 |
ミーバトン湖の周辺にあるスクートゥスタダギーガルは、偽クレータ(pseudocrater)という意味である。 高温の溶岩流が湿地や湖沼を覆って水を閉じ込めると,そこで水蒸気爆発が起こる。 水蒸気爆発の結果、地表にできるすり鉢状のくぼみを偽クレーターという。火山の噴火口ではないので、「にせ」というわけだ。 |
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偽クレーターの1つに登る | 噴火ではないが、激しい水蒸気爆発を想像すると面白い |
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ヒレアシシギのオス Red-necked phalarope (Phalaropus lobatus) |
ノコギリソウ |
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セル・ホテルのレストランにマリモが展示されているというので訪ねた。 直径が10cm以上あり、日本の阿寒湖のものより大きい。 泳いでいる魚はトゲウオ目トゲウオ科イトヨ属イトヨらしい。 |
上に浮いているのが阿寒湖のマリモ、下に沈んでいる大きいのが ミバートン湖のマリモ、という説明 |
ミーバトン湖のマリモ 高緯度に位置するアイスランドの北部にあるミーバトン湖にマリモが生息している。 アイスランドは火山の国で、阿寒湖も同じく火山の湖である。 ミーバトン湖も火山の影響の温泉が流入することが阿寒湖と同じ共通点である。 ミーバトン湖は面積37平方キロメートルと阿寒湖の2.8倍だが、水深は2mと浅い。 高緯度に位置しているにもかかわらず温かい温泉が流れているので冬でも結氷しない。 ミーバトン湖には直径10〜13センチのマリモが2千万個生息していると考えられているが、阿寒湖には10センチ以上のものは90万個ほどに過ぎないから、ミーバトンには20倍以上の数の大型マリモが生息していることになる。 さらにミーバトン湖のマリモの中には遊走細胞(子供の一種みたいなものです)を出しているのか白いマリモがいる。 これは大変稀なことで日本では確認されておらず、マリモの繁殖機構が解明されるのではと思われている。 http://marimo.xrea.jp/より引用・改変した |
ディムボルギル(黒い砦) |
ディムボルギル(黒い砦)には、起伏のある丘に奇岩が集中している。 これは溶岩に熱せられて沸騰した水が吹き上がった後、空洞となった地下が陥没し、複雑な地形になったといわれている。 夜なら不気味であろう |
高台から眺める黒い砦 |
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ヤナギの仲間 | アイスランドの国花であるチョウノスケソウ |
グリョゥタギャウ(地下温泉) |
1938年に英国から来た学生が偶然見つけた地下温泉である。 左に女性用、右に男性用の入口が作られているが、内部で一緒になる。 |
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内部は不気味とも幻想的ともいえる雰囲気。 湯温はかつては高かったが今は45℃程度であるという。 |
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地下温泉の上に深い裂け目(ギャウ)がある |
ユーラシアプレートと北米プレートを股にかける。 どちらがユーラシアだっけ? |
車窓から一瞬見えたギャウの間隔計測装置 間隔の伸び量はアイスランド全体で数cm/年だが、1つのギャウではどのくらいだろうか |
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ビジターセンター |
ビジターセンターに掲示されていた火山とプレートの地図に アイスランド、大西洋中央海嶺、北米プレート、ユーラシアプレート の説明を朱書きした。 |
アイスランドでプレートの広がる速さを地図から計算してみよう |
中央海嶺で生まれたプレートは、1年間に数cmの速さで、両側に広がっているといわれている。アイスランドの地質図を使って、プレートの広がる速さを計算してみる。 |
簡略化した地質図 | ||
貝塚爽平編「世界の地形」p.283、アイスランドのテクトニックマップ(Saemundsson,1979)を改変 | ||
上の図で、Aの幅を地図から読み取ると30kmである。この地帯は70万年前〜310万年前の240万年間に生まれたので、この時代のプレート移動の平均速度は 30km/240万年=1.3cm/年であることが分る。 同じように、Bの幅は28km、240万年間のプレートの移動の平均速度は 28km/240万年=1.2cm/年であることが分る。 Cの幅は66kmで、現在から70万年前までに生まれた地帯であるが、両側に広がったので、片方の移動速度は半分となり 66km/70万年/2=4.7cm/年であることが分る。 ここではプレートの移動速度とし、1.2〜4.7cm/年という値が得られた。 プレートの移動速度は、人間の爪が伸びる速さ程度(数cm/年)と言われている。 一応その範囲の値になったが、約4倍の幅がある原因は、ここでは分からない。 |
クラプラ地熱発電所 |
地下から熱水と蒸気を取り出すパイプ、発電後に熱水を戻すパイプが長蛇のように走っている |
1975年日本の協力で完成した最新の地熱発電所。 ここだけで6万kW、アイスランド全体で17万kW |
アイスランド、日本、世界の地熱発電 地熱発電設備容量で比較すると (火力原子力発電技術協会2007年調) アイスランド 17.2万kW 日本 53.4万kW 世界合計 887.9万kw 各国の順位は、1位米国、2位フィリッピン、3位メキシコ、4位インドネシア、5位イタリア、 6位日本、7位ニュージーランド、8位アイスランドである。 意外に思われるが、日本はアイスランドの約3倍の発電施設を有している。日本で地熱発電が少なく感じられるのは、日本は火力と原子力の発電量がとてつもなく大きいからである。 火山も多く、地熱開発の技術水準も高い日本で地熱発電が潜在力を十分に発揮していないのは、候補地となりうる場所の多くが国立公園や国定公園に指定されていたり、温泉観光地となっていたりするため、景観を損なう発電所建設に理解を得にくいことも一因となっているという。 |
クラプラ地熱発電所の近くの火口湖に登った |
ナゥマフィヤットル |
ミーバトン湖とクラブラ山の間にナゥマフィヤットルという高温地帯がある。 高温地帯へ向かう途中、古い溶岩台地に草が茂り風変りな光景が見られた。 |
さらに歩くと高温地帯になる |
比較的新しい溶岩台地に、裂け目(ギャウ)が横断している |
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さながら、別府温泉の「坊主地獄」である。 |
クバ山(クヴェルフィヤットル)登山 |
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ロイガルへ向かう途中、希望者はクバ山を登る。 標高420mだが比高は100m足らず。 |
2500年前に噴火したテフラで形成された環状火山。 噴火口の直径はおよそ1km、火口の深さは100mほどである |
テフラ 火山灰・軽石・スコリア・火砕流堆積物・火砕サージ堆積物などの総称 |
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シニア組は火口壁で記念写真 | 若い2人のご婦人はその間に最高地点を通過して火口壁を一周 |
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ロイガルのホテルの夕食のオードブル、ラムの燻製は旨まかった | 夕食のメインは白身の魚 |
8日目 (7月12日) |
神々の滝→アークレイ→ソイザルクロゥクル(泊) |
神々の滝(ゴーザフォス) |
「神々の滝」という名には、アイスランドの歴史が秘められている。 ノルウェーから移住してきた人達には、バイキング時代から信じていた神があった。 アイスランドという国が生まれ、西暦1000年に民主議会でキリスト教に改宗することになった。 そこで、バイキング時代の神の彫像などが、この滝に投げ込まれた。 そこため、「神々の滝」と呼ばれるようになったという。 |
落差はそれほど大きくないが、左右に分かれた白い翼を広げた形は優雅である。 |
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下流から望む | 下流側には国道が走っている |
アークレイリ |
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北海岸に近付くと、氷河で削られたU字谷が現れる | ついに海が見え、フィヨルドが近いことが分る |
アークレイリの港には2艘の豪華客船が停泊していた。 ここの入江はフィヨルドといっても、ノルウェーのように断崖絶壁ではない。 |
フィヨルド リアス式海岸が通常の山地・河谷が沈水して形成されたものであるのに対し、フィヨルドは氷河によって形成されたU字谷が沈水して形成されたものである。フィヨルドは、氷河時代の終わりごろに氷が融けて海面が上がったために、この深い谷の一部が海に沈むことで形成されていった。 湾口から湾奥まで湾の幅があまり変わらず、非常に細長い形状になる。さらに、海岸線は湾奥を除いて断崖絶壁となり、水深も深い。数値を挙げると、ノルウェーの「ソグネ・フィヨルド」などは、長さが200km、水深・両岸の断崖ともに1000mを越えるものもある。それであっても湾の幅は数km程度である。 |
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Queen Victoria号 イギリス船籍の最新クルーズ客船。 2007年12月に就航。 総トン数9万トン、全長294m、乗客定員2014名。 日本へは2009年3月長崎港へ初寄港した。 |
Costa Magica号 イタリア船籍のクルーズ客船。2004年11月に就航。 総トン数10万4000トン、全長272m、乗客定員3470名。 |
アークレイリは、アイスランドの北部、エイヤ・フィヨルドに臨む都市。 レイキャビークに次ぐアイスランド第2の都市で、人口は1万7253人(2007)。 「ミッドナイト・サン・シティ (真夜中の太陽の町)」という別名をもつこの美しい町は、夏は24時間明るい町として知られる。 何しろ世界の豪華客船が鉢合わせするくらい人気がある町である。 |
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アークレイリ植物園 | 青いケシ | 赤いケシ | 黄色いケシ |
アークレイリ大聖堂 |
アークレイリ大聖堂 プロテスタントの教会は清楚である。 |
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銀行の前にアイスランド国旗が並んでいた | 残雪の山を背にアークレイリの市街 |
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古い教会とか | アイスランドの童話作家ヨーン・スウェンソン(愛称ノンニ)の家と銅像 |
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アークレイリからソイザルクロゥクルへ行く途中で見た「黒い針峰群」 | どこから揚げているのだろうか、凧が---(車窓) |
ここにも雄大なU字谷。 もし海面水位が上昇すれば、ここは立派なフィヨルドになる。(車窓) |
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ドライバーのビヤニさんがここでも秘密の場所を案内してくれた。 溶岩が10層ほど堆積しており、10回以上の噴火があったことを窺わせる。 |
ソイザルクロゥクルへ |
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ソイザルクロゥクルの10kmほど手前のグロイムバイルの町を通過した。 木造切り妻風で芝土と石で造られた18世紀の農家を保存している(車窓) | アイスランド馬のいるところでバスを止めて休憩する。 ビヤニさんが草を摘んで与えると旨そうに食っていた。 |
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ソイザルクロゥクルのホテルでは、初めて外のレストランに行く | ラムのリブステーキが赤ワインとマッチして、旨かった |
9日目 (7月13日) |
地熱の村クベーラベットリル→キョールル街道→レイキャビーク |
ソイザルクロゥクルのホテルを出発 |
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今日はアイスランドの北海岸から1日がかりでレイキャビークまで南下する予定。 途中食べる昼食の弁当を積み込む。 |
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ビヤニさんもバスの燃料供給(セルフ!)に余念がない。 | 毎日出会ったアイスランド馬ともお別れか |
地熱の村クベーラベットリル |
ラング氷河とホフス氷河の間のキョールル街道を南下する途中に、地熱の村クベーラベットリルがある。 海抜650m、アイスランドでも有数の地熱地帯である。 |
ワタスゲが美しい高熱地帯 |
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ビジターセンター | 随所にある蒸気噴射口 |
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カルストのような白い川が泉源 | ブルーの露天風呂 |
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ここにもにスミレ | 何と、温泉の池にバイカモ(梅花藻) |
キョールル街道を南下 |
ソーリス湖の向うに見える、我々が「アイスランド八ヶ岳」と名付けた山々(車窓) |
キアレス火口湖 |
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ここも高熱地帯。 随所に地熱発電所がある | この温室は、温泉を利用した野菜の栽培をしているという |
レイキャビーク |
レイキャビークを出発し、南部のギャウや火山や氷河を探勝し、中央のスプレンギ砂原を北上して、北海岸のフィヨルドを訪ね、中央のキョールル街道を南下して、再びレイキャビークに戻ってきた。 |
レイヤビークでは、ぜひ訪ねたい「ホフディの家」 1986年10月、ここで米国のレーガンとソ連のゴルバチョフが会談し、冷戦終結のきっかけとなった |
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大きなドームと2つの円筒からなるベルトラン、 実は、大きな円筒は温水の貯蔵タンク |
ベルトランの展望台から見たサンタクロースが住むエーシャ山 アイスランドのサンタクロースは13人、最初のサンタクロースが下りて来るのが12月12日、最後の13人目のサンタクロースが下りて来て全員が揃うのが12月24日、クリスマス・イブ。 |
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ベルトランには、レーガンとゴルバチョフの会談の写真が飾ってあった |
ベルトランの博物館の前にある バイキングの蝋人形 |
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旅の最後の夜、レイキャビークのバイキング・ホテルで、旅の打ち上げの乾杯 |
10〜11日目 (7月14〜15日) |
成田→レイキャビーク |
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レイキャビーク空港(正式にはケプラビーク国際空港)からアイスランド航空でコペンハーゲンに向う |
アイスランド上空で、氷河に覆われたクレータとお別れ この後、コペンハーゲンでスカンディナビア航空に乗り継ぎ、翌日成田に着いた |
長年の願望であったアイスランドの地学見学を終わり、私にとって大満足な旅であった。 日本山岳会の会員でない私の妻まで皆さんのご厚意で参加させて頂いた。
よき仲間に恵まれたことを感謝したい。 今回の旅をプロモートされた「山の自然学研究会」の船橋氏、旅を催行して頂いたユーラスツアーズの坂田氏に再度お礼申し上げたい。 今回の旅のために特別のご準備をして下さった現地ガイドの山本さんにも改めてお礼申し上げたい。 |
アイスランドの旅(2)「アイスランド中北部の旅」は、いかがでしたか。 アイスランドの旅(1)は、「アイスランド南部の旅」です。 まだご覧になっていないお方は、この アイスランドの旅(1)をクリックしてご覧下さい。 |
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