アンデス・ブランカ山群(2)----アマゾン側から太平洋側へ 戻るトレッキング |
アンデス・ブランカ山群(1)は、いかがでしたか。 アンデス・ブランカ山群(2)では、いよいよトレッキングを紹介する。 ヤンガヌコ峠(4737m)で太平洋側からアマゾン側(大西洋側)へ移り、ウニオン峠(4750m)で再び太平洋側に戻る。 2つの峠は南米の大分水嶺上にあり、いずれもプレ・インカの道である。 天候がよければ、トレッキング中に、 ワスカラン(6768m)、 ワンドイ(6395m)、 チャクララフ(6112m)、 アルパマヨ(5947m)、 サンタ・クルス(6259m)などの名峰を展望できるはずである。 これらの山々は、写真家の白川義員氏によって「世界百名山」に選べれたものである。 アンデス・ブランカ山群トレッキング11日間の前半をアンデス・ブランカ山群(1)に、後半をアンデス・ブランカ山群(2)にまとめた。 合せてご覧下さい。 (2004年7月) |
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世界で一番美しい山といわれる アルパマヨ(5947m) |
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南米ペルーの地図 |
ルート図 アンデス・ブランカ山群(2)の詳細地図 ( ━━ は(2)の行動範囲) |
ヤンガヌコ谷からパリア谷出合いへ |
旅程の5日目、専用車でヤンガヌコ谷の幕営地を出発し、ワスラカンなどの氷峰を眺めながら、ヤンガヌコ峠(4737m)を越えて、モロコーチャ谷を下り、ヴァケリアに着く。 ここで車を降り、トレッキングを開始した。 |
ヤンガヌコ峠(4737m)から眺めるペルー最高峰のワスカラン 左が南峰(6768m) 右が北峰(6655m) 鞍部から氷河が流れ出している |
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ワスカランを少し別の角度から撮ったもの 生憎、上半分が露出オーバー、下半分が露出不足であるが、見えているのは南峰。 鞍部から流れている氷河が識別できるように画像処理をした。 氷河の下方に過去の氷河が残したモレーン(氷河が周囲の岩を削ってできた堆積物の丘)が見られる。 過去200万年間に北半球では4〜5回の氷河期があったというが、南半球についてはまだよく分からないようだ。 |
左の写真と反対方向を撮ったもの つまり、U字谷の下流を撮った写真である。2つの湖は下流が女湖、上流が男湖。昨夜の幕営地は手前の男湖の近くであった。巨大なU字谷は氷河で削られて出来たとされているが、本当に氷河で削られたとは信じられないほど大きい。 |
ガスの切れ目に顔を出したワンドイの4つの峰?(最高峰は6395m) |
ヤンガヌコ峠を越えてモロコーチャ谷に出て、ヴァケリア(3700m)で車を降りる。 ここで、ロバ10頭と馬1頭の準備を待ち、いよいよトレッキングを開始する。10頭のロバは荷物運搬用。1頭の馬は疲れた客の運搬用だ。 |
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ワリパンパ谷沿いに歩く | トマトとナスの合の子のような植物 我々はトマトナスと呼んだ |
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のんびりと遊ぶ子供たち | 羊の世話をする子供 |
広いU字谷で放牧された羊 |
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放牧された馬 |
ようやく今日の幕営地パリア谷出合いに着く。現地スタッフがテントを張って待っている。 |
パリア谷出合いからタウリパンパへ (ウニオン峠越え) |
6日目は、アマゾン側から太平洋側へのウニオン峠(4750m)越えの日である。 昨日のヤンガヌコ峠(4737m)では生憎天気がよくなかったので、今回望むことは天候だけである。 |
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昼食は簡単だが、必ずスープを作ってくれる。アンデスの現地スタッフは、ロバ使い、幕営地の設営、コックを兼ねる。ネパールのようにカーストがなく、働き者だ。 | 馬に乗るS氏 乗馬は平地では乗り心地はなかなかいいが、急坂の一枚岩では馬が足を滑らせることがあり、少々神経が疲れる。 |
U字谷を上り詰めると、急な岩壁が待ち受ける |
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一見登るのが困難そうな岩壁にも、馬が登れるルートがある。
これがプレ・インカの道である。 インカ帝国が栄えたのは15世紀後半から16世紀前半である。 それ以前はプレ・インカ時代といわれる。 |
こんな岩壁に咲く華麗な花 現地ガイドは「リマリマの花」といっていた。 |
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ウニオン峠(4750m) 峠のこちら側がアマゾン側(大西洋側)、向うが太平洋側である。馬が通れるだけの幅に切り開かれている。 |
ウニオン峠の太平洋側で記念写真 |
峠から間近に見えるタウリラフ(5830m) |
峠から太平洋側を見下ろすと、大きなU字谷と氷河湖 今日の幕営地はこの湖の手前だ |
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幕営地タウリパンパ(4100m) から見るタウリラフ(5830m) |
タウリラフ暮色 |
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夜のタウリラフと明けの明星 | 南十字星(右の4つの星) |
タウリパンパからヤマコラルへ |
7日目は、タウリパンパ(4100m)からヤマコラル(3600m)まで、サンタ・クルス谷を下る。 天気がよければ数々の5〜6000m峰が眺めれらるはずである。 |
黎明のキタラフ(6036m) |
左キタラフ、右アルパマヨ |
アルパマヨ(5947m) 世界で一番美しい山といわれる。 こちらは東面だが、南西面からだとヒマラヤ襞(ひだ)が素晴らしいという。 |
左はパリア(5510m)、右はピラミデ(5885m) |
現地ガイドは「ワリカーシャの花」といっていた。 サボテンの一種と思われる。 |
広大なU字谷と放牧された牛 ここを馬の背に揺られて下った数kmはほんとうに長閑で、気持がよかった |
ヤマコラルからモンテレーへ |
ヤマコラル(3600m)で最後の幕営を惜しんだ後、8日目はいよいよトレッキング最終日となった。 今日の期待は名山サンタ・クルス(6259m)を眺めることである。 下山後モンテレーの町にある温泉を訪ねるのも楽しみである。 この日はモンテレー泊。 |
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岩峰に懸かる下弦の月 |
トレキングの終点、カシャパンパの村(2900m) ここで、現地山岳スタッフ、ロバ、馬と別れ、専用車でモンテレーに向かう。 |
サンタ・クルス(6259m) 下山中の車からサンタ・クルスが遠望でき、急いで車を降りて撮影した。 形はスイスのマッターホルン(4478m)に似ているが、どことなく優雅で、アンデスの名山といえる。 |
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昼食は、カラツの町で、久しぶりに瀟洒なレストランに入る。文明の味(?)インカコーラが美味かった。 |
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ペルーの二大コーラブランドは、インカコーラとリアルコーラ |
山中で見たサンペテロ(サボテンの一種)。メスカリンという幻覚剤の原料になる。 |
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モンテレーの町の温泉に行く。プールやレストランがあり保養地の雰囲気である。温泉自体は個室で、自分で バスタブに赤茶けた湯を入れる。上がり湯もなく質素なもの。(狭い浴室で、パノラマ写真がうまく撮れなかった) |
モンテレーからリマを経て帰国 |
モンテレーの町で温泉を楽しんだ後、往路と同じ長い陸路を走ってリマに帰り一泊し、翌日リマから帰国した。 |
コノコーチャ峠(4050m)付近で出会ったリャマの群 リャマは、主にペルー、ボリビアの標高2200〜4000mの高地草原に生息するラクダ科の動物。輸送用役畜として飼育されている。リャマによく似たアルパカの毛は、毛織物用の高級獣毛として珍重される。 |
リャマに別れを告げ、リマでペルー最後の夜を過ごし、ヒューストン経由で 帰国の途に着いた。 |
ワスカラン (6768m) |
ワンドイ (6395m) |
チャクララフ (6112m) |
アルパマヨ (5947m) |
サンタクルス (6259m) |
今回のトレッキングで展望した上の5つの山は、写真家の白川義員氏によって「世界百名山」に選べれたものである。このような山々にお目にかかれ、今回は本当に幸せな山旅であった。 なお、前半は天候が悪くガスが懸かっていたため、山の同定に誤りがあるかもしれない。お気づきの方には教えて頂きたい。 |
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