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尾瀬から日光沢へ----中央分水嶺踏査シリーズ(3)
 
 2005年に創立100周年を迎える日本山岳会が、記念行事の1つとして 「日本中央分水嶺踏査登山」 を行っていることは、このホームページですでに述べた。

 今回は、日本山岳会の同好会の1つであるアルパインスキークラブの有志8名で、尾瀬沼から黒岩山に至る分水嶺を踏査した。黒岩山には、来年の積雪期に予定している台倉高山・帝釈山方面の分水嶺への接続点があり、それを確認することも今回の山行の目的の1つである。

今回の「尾瀬から日光沢へ」を
中央分水嶺踏査シリーズ(3) として紹介しよう。すでに終了したアルパインスキークラブのシリーズ(1)、北海道支部のシリーズ(2)も合せてご覧下さい。
                            (2004年9月)

下記をクリックすると、掲載済みのものをご覧頂けます。
中央分水嶺踏査シリーズ(1)三平峠・檜高山を見る
中央分水嶺踏査シリーズ(2)北海道十勝岳を見る
黒岩山の三等三角点

               尾瀬・日光沢のトラック
 ━━ 9月11日〜13日の全トラック(GPSによる記録)
 ━━ 4月24日〜25日のトラックの内の中央分水嶺部分(GPSによる記録)
 ━━ 今後踏査を予定している中央分水嶺
上の地図をクリックすると大きくなります。低速回線の方はしばらくお待ち下さい。
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1日目 2004年9月11日
大清水から長蔵小屋へ


第1日目は、都心から車で片品村大清水の駐車場まで来て、登山を開始した。 といっても、一ノ瀬休憩所までは平地、そこから三平峠を越えて尾瀬沼へ、沼畔を歩いて長蔵小屋までの楽々一日である。


大清水の駐車場で勢揃い 一ノ瀬休憩所までは平地、もう路傍に秋の花が--


ツリフネソウ キンミズヒキ ウツボグサ ヤマハハコ


一ノ瀬休憩所 三平橋を渡ると山道 萩の花が迎えてくれる


三平峠への道は針葉樹林の中


オオカメノキの実 尾瀬沼は生憎のガスだが、すでに紅葉が始まっている


ウメバチソウ イワショウブの実 ワレモコウ ゴゼンタチバナの実


尾瀬パークボランティアの方に大江湿原をを案内して頂く


この日は長蔵小屋で、明日に備えて、我々にしては珍しく早々と寝る。




2日目 2004年9月12日
長蔵小屋から日光沢温泉へ


2日目は、登山道をガイドブックのコースタイムで歩いても10時間10分の長丁場である。 我々は、高石山(袴腰山)、赤安山、黒岩山で、登山道を離れて中央分水嶺を歩かなければならないので、予想歩行時間は12時間を越す。 そこで高石山山頂をスキップして黒岩山山頂を踏査するA班4人と、高石山山頂を踏査して黒岩山山頂をスキップするB班4人に分かれて行動することにした。 私はA班なので、これからの記述はA班についてである。


この日は12時間の行程なので、
長蔵小屋を4時30分に出発
小淵沢田代で夜が明ける
 


東京電力の送電塔
 
只見幹線 竣工記念 昭和34年5月と記されている。
送電線は通過しているが、ダム建設は免れた。


赤安山へは登山道を離れ、藪漕ぎで、群馬大ワンゲルの標識に到達 赤安山山頂(2050m)の三等三角点
地図によると磁針は西偏6°60′だが、実測は西偏15°くらいか


次の目標、黒岩山が見えた
 
 
黒岩山の三角点は登山道から
1.5kmほど藪漕ぎであるが、シラビソの幼木の中で、歩き易い。
次回の分水嶺踏査のために、分岐点に赤布を付ける。雪が深い場所なので高所に


黒岩山の山頂付近は岩場で、シラビソはなくハイマツと広葉樹に覆われている


A班4人が、黒岩山山頂(2162.8m)に到着 この二等三角点でも、磁針の西偏は15°もあった


黒岩山山頂から望む燧ヶ岳、手前は高八卦山か 今日これから歩く鬼怒沼山の長い尾根


鬼怒沼山を縦走して、やっと鬼怒沼湿原に着き、ホッとする


オロオソロシの滝を遠望 夕暮れ迫る5:30分頃、日光沢温泉に着く




3日目 2004年9月13日
日光沢温泉から大清水へ


最終日の3日目は、日光沢温泉を出発して、鬼怒沼山と物見山の鞍部まで前日のコースを逆行し、その後物見山新道を通って大清水の駐車場に戻る。 都心まで帰ることを考えて、今日も出発は4時半とした。


鬼怒沼  天候に恵まれた3日間だったが、この日は格別の日本晴れ


日光白根山が意外に近く見える


物見山(毘沙門山、2113m)の山頂 物見山から大清水の下山中、上州武尊山が見えた


下山中に見た板状節理の岩
(岩石名と成因をご存知の方は教えて下さい)
湯沢出合いで小休止
 


唐松林が大清水まで続く


かくて、アルパインスキークラブの第2回中央分水嶺踏査山行は無事終了した。
今後の積雪期のスキーによる踏査のための分岐点も確認できた。 GPSによる
トラックのデータも完全に取得できた。 単なる縦走でなく、分水嶺踏査という目的
があることが、こんなに面白いものだということを実感できた山行であった。


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